輸送の安全を確保するための
報告書(2022年度)
ご利用者の皆様へ
平素はJR西日本宮島フェリーをご利用いただきありがとうございます。
当社は、なかなか収束の気配を見せないコロナ禍の影響により、ご利用の回復には至らず、経営は引き続き大変厳しい状況ではありますが、「私たちは安全運航を最優先します。」を企業理念の筆頭に掲げ、これまでと変わらず、お客様に「安全」「安心」な輸送サービスを提供するための取組みを強化してまいりました。
本報告書は、海上運送法に基づき、輸送の安全確保のための取組みや安全の実態について自ら振り返るとともに広くご理解を得るために公表しています。
安全意識の向上や安全への取組み強化により輸送機関としての高い安全性を確保するため、安全への現状や取組みをまとめており、ご高覧いただくとともに、ご意見やご助言を賜われば幸いです。
JR西日本宮島フェリー株式会社
代表取締役社長 大野 泰弘
1.安全に対する基本姿勢
お客様に安全・安心な輸送を提供するために「安全基本方針」に基づき、安全最優先の取り組みを社長以下全社員が一体となって推進します。
2.安全基本方針
- 法令、規則等を遵守し、平時有事を問わず安全最優先の判断を徹底する。
- リスク情報の提供・収集に基づくリスクアセスメントの取り組みを徹底する。
- 四半期実設訓練や日々の仕事を通じて異常時対応力の向上を目指す。
- 互いの思いを「受け止める」「認める」「伝える」考動に基づく情報伝達(確認ですが⇔確認ありがとう)を実践する。
- 指差喚呼(一部喚呼のみ)、基本動作を実行し、事故防止の取り組みを徹底する。
3.安全重点施策
当社の安全重点施策は次のとおりです。
(1)「安全の実現に欠かせない視点」の実践と安全最優先の意識の浸透
- 日々の業務の中で「安全の実現に欠かせない視点」(JR西日本策定)を意識する取組の実践
- 「安全が確認できないときは『迷わず列車を止める』『迷わず作業を止める』」船舶バージョンの実践
(2)組織の安全管理(安全マネジメント)の充実
- 「安全性向上の取組み」に基づいた四半期ごとの振返り、マネージメントレビューの実施で、PDCAを着実に回す。
- JR西日本策定の「現場長の安全マネジメントの手引き」や「JR西日本宮島フェリー安全マネジメントブック」を活用して、弱点を明確にしてその補強に着実に取組む。
- 「分析・対策策定の手引き」を活用し、m-SHELL分析による船舶運航に関するリスク(安全に直結しないものも含む)の抽出 (報告、提供)・分析を行い、対策とそのフィード
バック。(シフト作業、多客時対応等)
- 新たな業務展開(桟橋業務直営化、新規参入船舶、訪問税導入)に応じた計画リスクアセスメント。
(3)一人ひとりの安全考動の実践
- 指差喚呼・基本動作の完全実施(双方に声が届く明瞭な声出し、船橋施錠の確認・指導を含めた1日1回の添乗、GW・夏季・年末年始多客の総点検及びテロ対策の実施)
- ヒューマンファクター(HF)の実践的理解とリスクベース思考の浸透。
- 「能動的に考え、学び、採り入れ、やってみる」社員と組織づくりの基盤として「ヒューマンエラー非懲戒制度」の導入。
- 広島支社事故資料展示室当社版安全研修を継続。
(4)安全を維持する船舶運航システム・体制の充実
- 身近な作業の効率化(手作業の機械化:デジタル機器の活用)
- ウィズ・アフターコロナを踏まえたお客様・社員の感染防止対策の徹底
- 船長、機関長、地上職が、あらゆる場面で「確認ですが⇔確認ありがとう」を実践
- 四半期訓練の充実
- 規程類の読み合わせによる船員と陸上作業員の規程の理解と相互信頼の醸成
- 発生修繕履歴を踏まえた計画修繕の充実及びブラッシュアップ計画の実施
4.安全に関する目標
- 海難ゼロ、お客様の死傷事故ゼロ、社員の休業労災ゼロ
- 安全に関する社員の意識向上(安全アンケートでポジテ/ブ回答8割)
- 船舶の故障対応件数25%減
5.船舶の検査
当社では、安全の維持・向上のため、法令に基づき計画的に船舶の検査を実施しています。
【2022年度計画】
ななうら丸 |
定期検査(船体・機関の解放工事) |
みやじま丸 |
中間検査(船体・機関の解放工事) |
みせん丸 |
中間検査(船体・機関の解放工事) |
6.2021年度の主な実施施策
- JR西日本広島支社安全推進会議による情報の共有化
- 救援艇運用に備え救援艇運用標準の整備及び関係規程類の改正
- 指導添乗によるOJT
- 非常操舵訓練を含む実設訓練の実施
- 気がかり事象の収集及びリスクアセスメント対策・フィードバックの実施
- 宮島口ターミナル運用に備え大桟橋における不具合事象の解消
[事故等の発生状況]
- お客様にご迷惑をおかけする海難は2021年度において発生していません。
- お客様の死傷事故は2021年度において発生していません。
- 社員の休業労災は2021年度において発生していません。
7.ご連絡先
安全報告書へのご感想、当社の安全への取組み等にご意見・お気付きの点がありましたら、ご連絡下さい。
JR西日本宮島フェリー株式会社 運航部
広島県廿日市市宮島口一丁目11番5号
TEL 0829-56-2045 (9:00~12:00・13:00~17:00)
FAX 0829-56-2049